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古川隆久、『昭和天皇』を読んで
久しぶりに堪能した本である。昭和天皇の一代記を文庫本一冊にまとめ、しかも、多くの資料を使いながら概観している良書であろう。もっとも、文庫本ということもあり、専門家からの批判は当然あり得るだろうが、一般の読者からすれば枝葉末節にこだわってわかりにくい本よりも、大筋をおさえ、きちんとした視点でまとめてくれた本のほうが、理解しやすく便利である。
私の習った先生が、常々、フランスの「ク・セ・ジュ」(Qui sais-je?)文庫を評価されておられた。というのも、文庫本一冊の量で、最低限の知識を系統...
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2012/05/20 21:15 |
夏王朝について
今までは、夏王朝は伝説的な存在とされていたが、今回洛陽を訪れた時、洛陽博物館が完成しており(なお、正式な公開はまだ先のようだが、一般公開はしている)、そこには、洛陽周辺から出土した文物が展示されていた。中でも面白かったのは、二里頭遺跡を中心に出土した「夏王朝」の文物であった。すでに青銅器が製造されており、ここでは、その存在を認めているようである。
洛陽の側の登封(とうほう)には、啓母石があり、それを祀るための廟まであった。夏王朝は、禹の息子、啓から始まったと考えられている。この啓には、伝説...
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2012/03/02 20:00 |
中国私見
二月の末に中国に行き、河南省洛陽、登封、寧波、上海をめぐってきました。
とにかく、大変な速度で発展を続けており、その熱気に圧倒されました。
丁度、昭和40〜50年代の東京の雰囲気です。
上海と東京を比べると、東京の方が田舎に見え、熱気のなさに驚くほどです。
十三億の人口を持つ国だけに、一面の評価だけで理解すべきではないでしょう。
とにかく、腰を据えて多面的に付き合っていかないといけないと実感しました。
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2012/03/01 22:36 |
プロテスタントとイスラーム
Wikipediaに「プロテスタントとイスラム」という項目があったが、ギリシャ正教シンパと思われる人によって別物に改竄されたようである。欧米におけるイスラームとの関係を知るには少しおもしろい記事だったと思うので、改竄以前の記事を採録してみたい。
英語版は、
http://en.wikipedia.org/wiki/Protestantism_and_Islam
は参照してください。
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2012/02/03 09:20 |
マックス・ヴェーバー、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読んで
一年かけて、マックス・ヴェーバー著、大塚久雄訳、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』をゼミで読み終わった。この本を通読するのは、これで三回目だが、自分一人で読むのでなく、講読し、解説をしなければならなかったため、かなり苦労した。とくに、ヴェーバーの知識は広く、また、キリスト教、特にプロテスタント関係の知識を確認するのに大変手間取った。しかし、勉強になった。
まず、この本を社会学だけの本と見るべきではない。歴史、経済、文化、宗教の知識が必要であるし、何よりも、これは、比較文化論、ひ...
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2012/01/13 18:28 |
石井米雄先生・弘子夫人をおくる会に参加して
本日、学士会館で、石井米雄先生・弘子夫人をおくる会に参加した。2010年2月に80歳でご逝去された石井先生、その前年ご逝去された奥様にのお別れの会でした。
何人かの方がスピーチをなされましたが、一つ印象深い話がありました。石井先生が、次の三つの言い訳はするな、とおっしゃったそうです。「一つ、時間がない。二つ、才能がない。三つ、年を取った。」の三つです。この三つの言い訳を使わなければ、逆に言い訳の理由がなくなる、逆を言えば、やりたいことは言い訳せずにやれ、ということなのでしょう。耳に痛い(と...
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2012/01/02 14:19 |
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
タイに行ってから、急に忙しくない、ブログを書いている余裕がなくなっておりました。
また、去年の東日本大震災の後、いろいろと考えさせられることが多く、筆を執る(キーボードを叩く)気になりませんでした。
新年を迎えましたので、また、続けようと思います。
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2012/01/02 13:50 |
タイに行ってきます
4月8日は、降誕会といい、釈尊の誕生日とされています。本来は旧暦で祝うものですが、日本では、新暦に移行して行われています。
ところが、他の国では、旧暦のまま、祝日となっています。
仏教国のタイでも、明日から、「ウェーサカ」といい、降誕会、成道会、涅槃会を一緒に祝います。
このための会がタイで開催されますので、参加してきます。
首相派と、元首相派の対立がありましたが、この日のためには和解したように思われます。
それでは、また、報告いたします。
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2010/05/22 06:30 |
滅びへの道
最近ブログを更新していなかったが、する気になれなかった。というのも、現在の首相の言葉の軽さにあきれ果てていたためと言っても良い。
普天間の米軍の基地を少なくとも沖縄県外にうつすというのであれば、その通りにし、場合によってはアメリカのオバマ大統領と喧嘩すれば良い。それが、首相の公約だからだ。逆を言えば、そこまで考えずに公約をした、首相が馬鹿である。した以上、公約に従い、出来なければ辞職すべきである。それこそ、自分の選挙民に対してなした約束を果たそうとし、出来なかったときに身を処した名宰相にな...
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2010/05/08 22:29 |
日本の迷走
鳩山首相がオバマ大統領との会見で、普天間問題が相手にされていないことが明らかになったようであるが、これは、普天間問題に限らず、日米間に信頼関係が構築されていないことを端的に示す事のように思われる。
日本は、大日本帝国憲法を発布して以来、民主主義国家としての歩みを続けている。もちろん、正解ばかりではない。昭和7年の5・15事件から20年の敗戦までは、民主主義がうまく機能していない、というより衆愚政治に陥っていた、という可きであるが、独裁政治、というわけではない。天皇が独裁する体制にはなって居...
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2010/04/16 20:25 |
日本の危機的状況?
鳩山首相が、オバマ大統領と10分間の会談をし、普天間飛行場移設問題について話してきたという。しかし、実質は何も話していないであろうことは、想像に難くない。彼の人当たりの良さと優柔不断ぶりは、戦前の近衛文麿と同じように見える。調子の良い言葉だけで実行力が伴わず、結果として最悪の状況を招き寄せる、このような想像に囚われる。
近衛首相は、「蒋介石政権を対手せず」、という名言(迷言?)を吐いて、結局、日中戦争を泥沼化させ、対米戦争に至る端緒を開いた。「Trust me.」という外交的に最悪の言辞を...
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2010/04/14 21:23 |
グーグルの中国撤退について
グーグルが中国から撤退することになった。当然のことと言っていいかも知れない。というのは、中華人民共和国は、共産党による一党独裁の体制であり、この状況下においては、近代国家においては、当然認められるべき言論の自由、信仰の自由、集会・結社の自由が認められていないからである。
19世紀以降の民主的近代国家(近代の定義は前のブログを参照)は、人民(政治的権利を持つ民衆)が、血を流して、権利と義務をつかみ取っている。中国も革命を起こしたことには変わりがないが、近代国家的な自由があるかと言えば、それは...
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2010/03/26 22:10 |
彼岸にあたって
明日の24日までが、彼岸の期間である。彼岸は、春分、秋分を中日として前後三日づつ、計七日の一週間が彼岸の期間になる。これは、仏教思想を取り入れた先祖を祀る民間儀礼と言って良い。
「彼岸」、それに対応する「此岸」という言葉は、仏教由来の言葉であり、この世を此岸、悟りの世界を彼岸と言ったことに基づく。しかし、それが、日本文化に受容されるに当たり、なくなった先祖の霊(祖霊)がいる世界を彼岸、我々の住む現世を此岸と考えるようになっている。これは、どの時代、社会にも見られる文化受容の在り方である。
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2010/03/23 21:43 |
長谷川等伯展を見て
本日、上野にある国立博物館で「長谷川等伯展」を見てきた。入るのに80分待たされたが、内容は十分に楽しめるものであった。戦国末から、江戸初期に活躍し、狩野派にも負けない力量はたいしたものである。
それと同事に、一つおもしろ事を見つけた。この国立博物館には、いくつかの建物があるが、本館は明治初期の設計、表慶館は明治後期、東洋館(現在工事中)は、確か、昭和の建物、特別展を開催している平成館は平成の建物。各時代に建築されているが、時代が下るに連れて、その建物は機能的になるかもしれないが、装飾がなく...
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2010/03/18 21:25 |
スリランカの象
スリランカには全部で4000頭ほどの象が生息しています。そのうち86頭が、ピナワラの孤児院で生活をしています。時間になると、この象たちは、河に水浴びに来ますが、その様子をすぐ間近で見ることが出来ます。普通は、少し高くなっているレストランのテラスから見るのですが、道の傍らにたまたま立っておりましたら、その群が異動するのをすぐ側で体験することになりました。おとなしい象ですので、人に危害を加えることはないと判っていても、1メートルもない所で、大きな動物が走る(彼らは歩いているつもりかも知れませんが)...
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2010/03/16 17:48 |
スリランカの仏教徒
スリランカで、多くの仏教徒に会ってきた。兎に角、皆さん真面目だし、信仰が篤い。旅行のガイドさんも、仏塔、仏像の前では、必ず、靴を脱ぎ、手を合わせていた。
また、月に一度のウポーサタの時には、白い服を着てお寺に集まり、説法を聞く。このような習慣があることを大事にしなければいけないのではないか。
日本ではこのような習慣もなく、個人主義といえば、聞こえが善いが、自分を振り返ることもなく欲望に振り回される。どうしたらよいのだろうか?
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2010/03/14 14:35 |
スリランカを旅行して
この度、スリランカの仏蹟巡りをしてきました。ご存じの通り、この国は、紀元前3世紀にマヒンダ長老によって上座部仏教がもたらされてから、各地に仏教寺院が建てられ、仏塔が築かれました。
この地は緑が多く、人々も優しく、大変善い国だと思います。
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2010/03/02 18:25 |
ダガーナイフ規制について
ダガーナイフが規制されることになりそうである。
秋葉原の事件を考えれば、人を殺傷する目的に作られたダガーナイフの所持が規制されることについては賛成する。しかし、一つ気になることがある。
それは、ナイフそのものを使わなくなることである。
現在小学校には、ナイフの持ち込みは禁止されている。これが、そもそもおかしい。確かにナイフは、使い方を間違えると人を傷つける。しかし、ナイフのない生活が考えられるのであろうか。台所で使う包丁も、kichen Knifeであり、これがなければ料理出来ない。更...
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2008/07/17 21:22 |
『夏王朝』を読んで
岡村秀典『夏王朝 中国文明の原像』(講談社学術文庫)を読んだ。
これまで、三代といわれた夏殷周の内、夏だけは実在が疑われていたのだが、この本によると、考古学調査の進展により、実在が確認されたという。二里頭遺跡がこの王朝最後の都の跡であるらしい。これで、司馬遷の『史記』に書かれた古代王朝全ての実在が確認されたことになる。
しかし、面白いのは、夏王朝は存在したが、その実像は、『史記』や他の資料に書かれているのとは同じではない。というのも、文献に残っている内容のほとんどが春秋戦国期に創造され...
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2007/11/19 10:44 |
「蜘蛛の糸は必ず切れる」を読んで
諸星大二郎の2冊目の小説集『蜘蛛の糸は必ず切れる』が出版された。早速に買って読んでみた。前作の『キョウコのキョウは恐怖の恐』に引き続き、面白く読めた。怪奇のような、不条理のような、この微妙な混ざり具合が何とも言えず、この作者の特徴と言って良いのであろう。
特に、書名になっている「蜘蛛の糸は切れた」は、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を諸星風にアレンジしたものであり、地獄の描写などは、より詳細になり楽しめるものになっている。
もともと、芥川のは、『赤い鳥』に掲載された子供向きの話であるが、諸星の...
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2007/10/22 22:15 |